【遺言の失敗事例】不明確な財産指定の遺言がトラブルのもとに
先日、父が数年間の闘病生活の後に他界してしまいました。相続人は母親と、長女である私と、弟二人の合わせて4人です。
父親は、あまり仲の良くない私たち兄弟が相続財産を巡って争ったりすることのないよう、遺言書を書いて、相続する財産をそれぞれ指定していたようでした。しかしながら、その遺言を書いて2年後に、父は郊外にマンションを購入していました。定期的に遺言を書き直していなかった為に、父の死後見つかった遺言書には、マンションに関する相続方法に関しての記述が無かったのです。
その不動産の相続人を巡って、長男・次男ともに所有権を主張し、争いになってしまっているのです。
それだけではありません。父は複数の銀行に対して一定額の預金をしており、それらの相続を誰が行うか等の指定を遺言書内に記載していましたが、遺言書の中には無かった銀行口座が残っており、その口座に対しても一定額の預金があったために、その相続を巡って兄弟間で争いになってしまいました。
当事務所の回答
「遺言書に記載されていない相続財産を巡ってのトラブル」は多く見られる相続問題の原因の一つです。このような相続財産を巡っては、相続人どうしで遺産分割協議を行う必要があります。これまで何度も申し上げましたが、遺産分割協議は時間・労力がかかる作業であり、話がまとまらず長期化することもしばしばあります。
このようなトラブルを防ぐ為には、やはり遺言書に相続財産に対してもれなく相続方法を指定することが重要です。
当事務所では、一度遺言書作成のサポートを行ったお客様に対しては、定期的に遺言書を書き直すことをお勧めしております。
この記事を担当した司法書士
福岡中央司法書士事務所
代表
森 浩一郎
- 保有資格
司法書士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託
- 経歴
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福岡中央司法書士事務所の代表を務める。平成11年2月に「福岡中央司法書士事務所」を開業。相続の相談件数約950件の経験から相談者の信頼も厚い。