【遺言の失敗事例】遺言を残したことがトラブルの原因に
遺言を作っておいたのに…。遺留分に気をつけて遺言書を書きましょう!
先日、父親が他界してしまいました。相続人は、私の母親(被相続人の妻)と、私の兄の二人です。
生前から父親は兄となかなか折り合いが合わず、近年はまともに連絡さえ取っていないような状況でした。母親も高齢である為、なかなか父親の面倒を見ることが出来ず、私が数年間父の看病を行ってきました。
父は生前、「いつも面倒をかけているし、妻も長くはない。是非、自分の財産を全て相続して欲しい」という話を私にしており、遺言書も作成していました。
しかし、兄は自分自身の遺留分、つまり、相続財産の1/4は自分のものであると主張して来ました。話し合いには応じず、今後は裁判で争うことになりそうです。
当事務所の回答
遺留分を考慮することなく被相続人が遺産分割方法を決め、遺言として残してしまい、相続人間でもめてしまう。遺言書を作成する際には、このような問題に直面することが非常に多いのです。
遺留分を無視した遺言書自体は無効であるということではありません。相続人間でその遺言内容に対して異議が無ければ問題ないのです。
相続人には、遺留分(兄弟姉妹を除く法定相続人に認められている絶対的な相続財産の受け取り分)が認められているため、遺言の内容が遺留分を無視するものであれば、遺留分を侵害された相続人は、遺留分を取戻す(減殺)ことができます。
遺留分を無視した遺言自体は有効ですが、遺留分の取戻しが訴訟等のトラブルになる可能性がありますので、遺言の作成にあたっては遺留分のある相続人にも配慮するように注意しなければいけません。
遺言を残す際には、その遺言を見た相続人間で発生しうる様々な問題点を出来る限り無くしていくことが必要です。でも、相続に関する知識が乏しく、私情が入ってしまうことで、一般の人にとっては非常に難しいことです。そこで、当事務所としてお勧めしたいのはやはり専門家に相談しながら遺言を作成することです。
当事務所はこれまで多くの遺言作成のサポートを行ってきた経験があるために、このような相続問題が極力発生しない為のポイントを抑えた遺言作成サポートを行うことが出来ます。お気軽にご相談ください。
この記事を担当した司法書士
福岡中央司法書士事務所
代表
森 浩一郎
- 保有資格
司法書士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託
- 経歴
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福岡中央司法書士事務所の代表を務める。平成11年2月に「福岡中央司法書士事務所」を開業。相続の相談件数約950件の経験から相談者の信頼も厚い。