【解決事例】20年放置した父の相続登記…夫の死で発覚した「数次相続」を解決へ
はじめに:相続人がネズミ算式に増える「数次相続」とは?
「相続手続きをしないまま時間が経ち、関係者が次々と亡くなってしまった…」
このような、本来の相続手続きが終わらないうちに次の相続が発生し、権利を持つ人(相続人)がどんどん増えていく複雑な状況を「数次相続(すうじそうぞく)」と呼びます。
手続きが複雑になるだけでなく、面識のない親戚との話し合いが必要になるケースもあり、多くの方が頭を悩ませる問題です。
今回は、亡くなった夫のお父様(義父)名義の不動産相続でお困りだった70代女性G様の相談事例を通じて、数次相続の解決ポイントと専門家によるサポート内容を分かりやすく解説します。
ご相談内容:亡き夫の父の名義のままの自宅、私が相続できる?
ご相談者
G様(70代・女性)
お悩み
最近、夫が亡くなったため、相続の手続きを進める必要がありました。しかし、現在住んでいる自宅は、約20年前に亡くなった夫の父(義父)の名義のままになっていることが分かりました。
夫の父が亡くなった際の相続人は、義母、長男である私の夫、二男である夫の弟の3人でしたが、その後、義母も亡くなっています。
この複雑な状況で、長年住み続けたこの家を、最終的に私が取得することは本当にできるのか、不安になり当事務所にご相談に来られました。
司法書士の提案&お手伝い
問題の核心:「数次相続」で相続関係が複雑化
G様のケースでは、まさに「数次相続」が発生していました。権利の流れを整理すると、以下のようになります。
【第1の相続】義父の死亡
不動産を相続する権利が「義母」「Gさんの夫」「夫の弟」の3人に移りました。
【第2の相続】義母の死亡
義母が持っていた権利が、その子どもである「Gさんの夫」と「夫の弟」の2人に移りました。
【第3の相続】Gさんの夫の死亡
夫が持っていたすべての権利(義父から直接相続した分+義母から相続した分)が、「妻であるGさん」と「Gさんの子ども2人」に移りました。
なぜ手続きが難しくなるのか?
最終的にこの不動産の名義を変更するには、上記の経緯で権利を持つことになった相続人全員(このケースでは「夫の弟」「Gさん」「Gさんの子ども2人」の合計4名)で遺産分割について話し合い、全員の合意を得る必要があるからです。
司法書士による解決への道筋とトータルサポート
当事務所では、G様が置かれた複雑な状況を丁寧にヒアリングし、以下のトータルサポートをご提案・実行いたしました。
相続人の確定調査(戸籍収集)
義父が亡くなった時点から現在までの連続した戸籍謄本などをすべて収集し、法的に有効な相続人が誰であるかを正確に確定させました。
遺産分割協議のサポート
G様が安心して他の相続人と話し合いを進められるよう、法的な観点からアドバイスを行いました。
特殊な遺産分割協議書の作成
数次相続を一件の手続きでまとめるための、専門的な内容の遺産分割協議書を作成しました。これにより、「義父からG様へ」直接名義を移すことが可能になり、手続きを大幅に簡略化できます。
相続登記の申請代行
完成した遺産分割協議書とその他必要書類を揃え、法務局への所有権移転登記(相続登記)をすべて代行しました。
亡き夫自身の相続手続き
不動産とは別に、亡くなったGさんの夫名義の預貯金についても、相続手続きを併せてサポートし、無事に解約・承継を完了させました。
解決結果:ご希望通り、ご自宅をG様名義に変更完了
Gさんが不動産を取得
当事務所で戸籍の収集を行い、夫の父名義の自宅の相続人としては、夫の弟、Gさん、Gさんの子ども2人であることを確定させました。
そして、Gさんには、他の相続人に対して、自宅をGさんが取得することについての打診をしてもらうことになりました。
弟の夫もそれに対して反対はなく、また、子ども達も同意してくれました。
そこで、当事務所でその内容での遺産分割協議書を作成し、各相続人の署名捺印と印鑑証明書をもらいました。
なお、この場合の遺産分割協議書は、数次相続をまとめて一つの協議で行う特殊な形式のものになります。
相続登記手続きが完了
この協議書により、夫の父から直接Gさんに自宅の名義を変えることができますので、そのような相続登記申請を行いました。
Gさんの夫自身の相続については、別に遺産分割協議書を作成し、預貯金の解約手続も全て当事務所で完了しました。
【当事例のポイント】相続手続きは放置せず、早期の相談を
数次相続は、時間が経つほど相続人が増え、関係が疎遠になったり、面識のない人が現れたりすることで、話し合いが難航するリスクが非常に高くなります。
G様のケースは、相続人皆様のご協力により円満に解決できましたが、これは幸運な例とも言えます。相続が発生したら「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、気づいた時点ですぐに専門家へ相談することが、将来のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。
相続手続きでお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所へお気軽にご相談ください。
相続手続きの無料相談実施中!
土地や建物の名義変更など相続手続きに関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは092-761-5030になります。お気軽にご相談ください。
相続手続きサポートの費用
相続登記サポート
項目 | 相続登記 のみプラン |
相続登記 節約プラン |
相続登記 お任せプラン |
---|---|---|---|
初回の無料相談(90分) | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産の事前調査(登記情報の閲覧) ※8 | 〇 | 〇 | 〇 |
被相続人の出生から死亡までの戸籍収集 ※1 | × | × | 〇 |
相続人全員分の戸籍収集 ※1 | × | × | 〇 |
収集した戸籍のチェック業務 ※2 | 〇 | 〇 | 〇 |
相続関係説明図(家系図)作成 | × | 〇 | 〇 |
遺産分割協議書作成(1通) ※7 | × | 〇 | 〇 |
相続登記申請(回収含む) ※2、3、4、5 | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産登記事項証明書の取得 | 〇 | 〇 | 〇 |
預貯金の名義変更 ※6 (預貯金の名義変更までまるごと依頼したい方は こちらをクリック>>) |
× | × | × |
パック特別料金 | 77,000円~ | 110,000円~ | 154,000円~ |
※1 戸籍収集は4名までとなります。以降1名につき4,000円頂戴致します。
※2 戸籍に不足がある場合、1通につき2,000円を頂戴致します。
※3 相続登記料金は、「不動産の個数(筆数)が3以上の場合」「複数の相続が発生している場合」には、追加料金をいただきます。
※4 不動産の評価額により、料金に変更が生ずる場合がございます。
※5 不動産が多数ある場合、不動産ごとに相続人が異なる場合は、申請件数が増えますので別途加算されます。
※6 当事務所の報酬とは別に登録免許税(固定資産評価額の0.4%)が必要になります。例えば、不動産の評価額が2,000万円の場合、国への税金として2,000万円×0.4%=80,000円が別途掛かります。
※7 遺産分割協議書のみの作成ご依頼の場合の費用は、20,000円~になります。また、遺産分割協議書に不動産以外の内容を記載する場合は別途費用が発生します。
※8 司法書士が被相続人名義の不動産をご依頼いただいた市町村にて調査いたします。
相続手続き丸ごと代行サービス(遺産整理業務)
不動産の名義変更だけでなく、預貯金などの相続に関するあらゆる手続きをまとめて代行!
遺産整理業務とは、司法書士が遺産管理人(遺産整理業務受任者)として相続人様の窓口として、相続に関する不動産、預貯金、株券、自動車、保険金、年金などのあらゆる相続手続きをお客様のご希望に応じて一括でお引き受けするサービスです。
相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 220,000円 |
500万円以下 | 275,000円 |
500万円を超え5000万円以下 | 価額の1.32%+209,000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 価額の1.1%+319,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 価額の0.77%+539,000円 |
3億円以上 | 価額の0.44%+1,639,000円 |
※ 上記報酬の他に、別途実費をいただきます。
※ 司法書士法施行規則第31条において、司法書士の附帯業務として相続人からの依頼に基づき、遺産管理人として遺産整理業務を業として行うことができる旨が定められております。
当事務所にご依頼いただいたお客様の声
当事務所にご依頼いただいたお客様の声を一部ご紹介します。
A様(詳細はこちら) 「とても良く説明していただいて理解しやすい事がうれしかった。 |
B様(詳細はこちら) 「司法書士事務所へおとずれるのは初めてで、緊張しましたが、森先生はとてもお話がしやすく、安心してお任せできると思いました。」 |
C様(詳細はこちら) 「他の司法書士事務所は料金体系があいまいなことが多いのですが、細かくプランなどがあり、分かりやすかったのでお伺いすることにしました。 |
相続手続きは、人によって状況も違い、進めていく中でわからないことも多く出てきます。
専門家にお任せしていただくと、相続に関わるご不安を全て解消させていただきます。
相続手続きでお悩みの方は、一度お気軽にご相談ください。
お問合せ方法
お問い合わせは下記フォーム、またはお電話からお寄せください。
この記事を担当した司法書士

福岡中央司法書士事務所
代表
森 浩一郎
- 保有資格
司法書士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託
- 経歴
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福岡中央司法書士事務所の代表を務める。平成11年2月に「福岡中央司法書士事務所」を開業。相続の相談件数約950件の経験から相談者の信頼も厚い。